M103A2 その2
プラスチック成形を生業にしているせいか、プラモデルを購入すると組立前に各ランナーを入念に観察してしまいますw
各メーカーさんによって個性があるので、楽しいです。
毎回、突出しピン跡のチェックからはじめます。
突出しピンとは、成形金型に溶けた樹脂を充填して、固化した樹脂(プラモデルだと各ランナー)を金型から押し出す役割をします。
言葉足らずで分かりにくいと思いますので動画を参考にw
金型が開き2:00のときに固化したプラスチック金型から浮き上がります。
これは、突出しピンによって押されて金型から出てきたものです。
3:00だともっと近づいてて分かりやすいかと。
突出しピンが無いと冷えて固化したプラスチックが金型にへばり付いて抜けません。プラスチック製品は形が入り組んでおり、突出しピンのアシストが必要です。
↑このようなピンが金型に何本も組み込まれてます。
しかし、突きだされる箇所には、突きだしピンの跡が残ります。
通常多く使われる丸ピンですと、円形の突出し跡が残ります。
丸い跡がそうです。
なので突出しピンは通常外観に影響のない場所に設けられます。
モデラーにとって、外観に残る突出し跡ほど厄介なものはないでしょうw
きれいに処理するのはとても面倒です。
なので通常は外観に影響しないように、突出しピンの構造がある、金型のコア側(オス側)に外観に影響しない裏側を掘り込みます。
そして、キャビ側(メス側)に外観側を掘り込みます。
しかし、プラモデルは特に裏表両面が外観になるパーツも少なくないです。
できれば、メーカーさんとしても裏表きれいで、なおかつランナーが金型からバランス良く、抜き出したい所です。
そこで今回のM103-A2のドラゴンさんのキットで多様しているのが
パーツに「捨てボス」というのを設けることで解消しています。
パーツを突きピンで押し出すかわりにこの「捨てボス」を突き出しピンで押出すのです。
もちろん、「捨てボス」はパーツとしては無用なモノなので、使用時はパーツからカットします。
突きだし跡の処理に比べれば、とても楽です。
今回のキットは捨てボスが多様されていてます。
捨てボスのオンパレード!
↑先程の裏面です、裏面もしっかりモールドされてます!
なんて観察してしまうんで、なかなか組立に入れないんですよねw
どこのメーカーさんが凄いとかではなく、それぞれのメーカーさんの考え方、こだわりが伝わってきて楽しいです。
このドラゴンさんのキットを組立終わるころには、捨てボスの山が出来てるでしょうw